16分の1のメモ16分の1のメモ
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本日の更新は鰤のみでしたが、ちょっと思いついた話があったので記載。
ハルヒでネタ系ですよ。
Read moreで表示。
古泉くんがご両親と暮らしていたら。
キョンとは恋人です。
ハルヒでネタ系ですよ。
Read moreで表示。
古泉くんがご両親と暮らしていたら。
キョンとは恋人です。
「僕の家に来てくれませんか。」
古泉に初めてそう誘われたのは、付き合い始めてから三ヵ月後のことだった。
「こちらです。」
「こちら、って・・・。」
一人暮らしにしちゃ広すぎるんじゃないか?
連れて来られたマンションは以前訪ねたことのある長門の部屋よりも明らかに広そうな所だった。どうせここも機関が管理してるんだろうが、それにしても些か贅沢すぎるだろう。やはり神人狩りなんて危険な仕事をしている分、住空間もそれ相応のものになるということなのだろうか。
そう思いながら古泉の後に続く。エレベーターに乗って辿り着いたのは最上階。景色が良すぎるんだっての。吹き付ける風も地上と比べて随分強く、制服の裾がバサバサとはためいた。
少し歩いた後、古泉が一つの扉の前で足を止めた。鍵を取り出すのかと思ったのだが、古泉が次に取った行動はそのままドアノブを掴んで扉を開くという動作。おい、まさかいつも鍵をかけずに出かけてるのか。不用心にも程があるぞ。いくら機関が管理していると言っても出かけている間に不審者が侵入してくる可能性だって―――・・・
「ただいま。」
「あら、いっちゃん?おかえりなさい。早かったわねえ。」
「ただいま、母さん。彼を連れてきたよ。」
「まあ本当!?」
そう、例えば家に家族がいるとか、そういう状況で無い限りはきちんと鍵をかけて・・・って、"母さん"!?しかもお前、口調が・・・!
ぎょっとして扉の向こうから現れた人物に視線をやる。するとそこには古泉によく似た妙齢の女性がスリッパにエプロン着用という、どこのアメリカンホームドラマだ的な格好でにこにこと笑っていた。その女性は間抜けな顔をしている俺の姿を認めると、やや高めのテンションで、
「あなたがキョンくんね!いっちゃんからお話は聞いてるわ!さあさあ入って!今日はあなたが来るって聞いて張り切っちゃったのよv」
「え、あの・・・ええ!?」
「さあ、遠慮せずにお入りください。今日は母さんがいつも以上に料理の腕を振るってくれたようですから。」
なんだ古泉、やっぱりいつも通りの口調なんだな・・・って、違うだろ俺!
「古泉、説明しろ。お前は一人暮らしじゃなかったのか?」
そう言うと古泉はキョトンとし、それからすぐに微笑を浮かべた。
「やだなあ、僕が一人暮らしをしているなんていつ言ったんですか。僕は両親と三人暮らしですよ。」
非常に簡単な問題を間違えた小さな子供を見守るような穏やかな声でそう言い、古泉は玄関で靴を脱ぎ始める。そう言えば確かにお前が一人暮らしだなんて聞いた覚えは無いな。しかしそれは古泉が自分のことを滅多に話さないからであって・・・。ついでにお前の立場やら何やらを考えたら、機関の命令で一人暮らしをしてるんじゃないかと思うのが普通だと思うぞ。
「おや、そうでしたか。それは失礼しました。」
「・・・あら、いっちゃんてばキョンくんに母さん達と暮らしてることお話してなかったの?」
「そうみたい。あはは、やっちゃった。」
「もう、いっちゃんてば本当におっちょこちょいさんねえ。」
また口調が・・・ッ!
つーか古泉!お前、家族の前だと普通に話すんじゃねえか!
「そりゃ血の繋がった家族ですからね。学校や機関のように『古泉一樹』というキャラクターを作る必要はありません。あ、でもあなたに対してこういう口調になるのはほぼ癖のようなものでして・・・お許しくだされば幸いです。」
そりゃ今更敬語じゃないお前ってのも違和感ありまくりなんだろうが――と言うか実際、母親(?)に対して普通に話してるお前は現在進行形で奇妙だ――、何と言うかこう、表現の仕様が無いものが喉の奥辺りで固まっているような感じだな。
まあとにかく、お前が俺をここに連れて来たのは自分の親と会わせるためってことで合ってるのか。二人の会話から勝手に推測しただけなんだけどな。
「ええ、その通りですよ。黙っていてすみません。しかし僕の両親に会ってくださいと言っても、あなたは素直に首を縦に振ってはくださらないでしょう?」
否定はしない。お前と俺の関係が世間一般からはまだまだ冷たい目で見られるということを理解しているからな。それが例え血の繋がった親だとしても実の息子の恋人が同性だなんて、拒否を示すのが普通ってもんだろう。泣くかもしれんしな。
「ふふ、ご心配いただきありがとうございます。」
心配なんぞしとらん。おいこら、嬉しそうに笑うな。ニヤけるな。
「いっちゃーん!何してるのー?早くキョンくんを連れていらっしゃい。お茶の用意が出来てるわよ。」
「うん。今行く!・・・そう言うことですので、どうぞ。」
「・・・わかったよ。」
いつもの作り笑顔ではなく本心からであろう幸せそうな顔を眺めながら頷く。
これが俺と古泉(母)の出会いだった。
*
「あの、古泉のお母さん・・・」
「やーねえキョンくん、"古泉のお母さん"だなんて。お義母さんって呼んでちょうだいなv」
「そうだぞキョン君。ちなみに私のことはお義父さんと呼んでくれ。」
古泉の家に招かれたその日の夜、古泉(父)――機関関連の会社でそれなりの地位についているらしい――が仕事から帰宅してから四人揃って夕食となった。ちなみに古泉(父)は古泉が今日俺をこの家に連れて来ることを事前に聞いており、そのため残業を全て放置して帰って来たらしい。男前だし、実に漢前だ。
正面には美形の両親の間に生まれた一人息子、古泉一樹が慌てふためく俺を見てにこにこと微笑んでいる。どさくさに紛れて「以前言ったこともありましたが、是非僕のことは"いっちゃん"と・・・」なんて言うんじゃない。「いっちゃん」呼びならお前の母親が何度もやってくれてるじゃないか。
「さあキョン君、お義父さんって呼んでくれないか。」
「お義母さんもね!」
*
古泉が俺を示して微笑む。
「では改めて。父さん、母さん。この人が僕の大切な恋人だよ。」
「いっちゃん、もっとちゃんと紹介しなさい。フルネームから!」
「そうだぞ、一樹。父さんと母さんに自分の恋人をきちんと紹介しなさい。」
「なんでだよ。彼のことは調査書で知ってるじゃないか。」
ちょっと待て古泉!その調査書って言うのは俺の事細かなあれやこれやが記されたもののことか!?
「ええ。あなたの滅多に呼ばれないフルネームから生い立ち、病気・怪我・恋人や性交渉の有無まで詳細を記されたもののことです。」
・・・・・・。恋人の両親にそこまで知られてる俺って。これ一体何の羞恥プレイ?つーか、そこまで知っていながらにこにこ微笑んでいられる古泉の両親って何者。まあ俺よりも俺のこと知っていそうな古泉が俺のことを好きになったのことからして普通じゃないのかもしれんがな。
つまり、この親にしてこの子ありってことなんだろう。
*
古泉の両親も機関の関係者らしい。しかし古泉が超能力に目覚めるのと同時にハルヒの存在を知ったわけではないのだと言う。話を聞くと、能力に目覚めた古泉から古泉自身の変化を告げられて初めてそのことを知ったのだそうな。それまでは一人息子が急に塞ぎこむようになってただひたすら慌てるのみだったんだとか。
でもって古泉から話を聞いた後、自殺まで考えていた我が子を必死で止めようと奮闘していた時に機関が現れた。古泉を引き取るという謎の団体に不信感を抱いたものの、能力を与えられた者の苦しみが理解出来るのは同じ能力者だけだということで古泉の機関所属を了承したのだと言う。ただしその時に条件として、古泉の両親も機関の人間になることを約束させた。仕事は勿論、古泉のサポート。もともと古泉の父親が(知らなかったとは言え)機関がバックにある会社に勤めていたおかげで諸々のことはスムーズにいったんだそうな。
つまり古泉の両親は古泉のこともハルヒのことも俺のことも全て知っているというわけだ。
「じゃあなんで俺とお前の関係を笑って許してくれてるんだ。」
「それは彼らがロミジュリの成功版みたいなものですからね。」
「・・・は?」
なんだその例えは。もっと解りやすく説明してくれ。
「ですから、僕の両親はどちらも自身の家から相手との結婚を反対されていたんです。しかし両親はそんな家の反対には屈しなかった。自分が好きになった人と一緒になって何が悪い、とね。・・・だからなんです。機関的には良しとしない――機関はあなたと涼宮さんが結ばれることで涼宮さんの安定を望んでいますから――のですが、彼らは機関の人間としてではなく僕の両親として、僕が幸せだと思う道を進むことを望んでくれているんです。」
「・・・・・・大切にされてるんだな、お前。」
ポツリと呟けば、古泉はくしゃりと表情を崩して微笑んだ。
「はい。」
古泉に初めてそう誘われたのは、付き合い始めてから三ヵ月後のことだった。
「こちらです。」
「こちら、って・・・。」
一人暮らしにしちゃ広すぎるんじゃないか?
連れて来られたマンションは以前訪ねたことのある長門の部屋よりも明らかに広そうな所だった。どうせここも機関が管理してるんだろうが、それにしても些か贅沢すぎるだろう。やはり神人狩りなんて危険な仕事をしている分、住空間もそれ相応のものになるということなのだろうか。
そう思いながら古泉の後に続く。エレベーターに乗って辿り着いたのは最上階。景色が良すぎるんだっての。吹き付ける風も地上と比べて随分強く、制服の裾がバサバサとはためいた。
少し歩いた後、古泉が一つの扉の前で足を止めた。鍵を取り出すのかと思ったのだが、古泉が次に取った行動はそのままドアノブを掴んで扉を開くという動作。おい、まさかいつも鍵をかけずに出かけてるのか。不用心にも程があるぞ。いくら機関が管理していると言っても出かけている間に不審者が侵入してくる可能性だって―――・・・
「ただいま。」
「あら、いっちゃん?おかえりなさい。早かったわねえ。」
「ただいま、母さん。彼を連れてきたよ。」
「まあ本当!?」
そう、例えば家に家族がいるとか、そういう状況で無い限りはきちんと鍵をかけて・・・って、"母さん"!?しかもお前、口調が・・・!
ぎょっとして扉の向こうから現れた人物に視線をやる。するとそこには古泉によく似た妙齢の女性がスリッパにエプロン着用という、どこのアメリカンホームドラマだ的な格好でにこにこと笑っていた。その女性は間抜けな顔をしている俺の姿を認めると、やや高めのテンションで、
「あなたがキョンくんね!いっちゃんからお話は聞いてるわ!さあさあ入って!今日はあなたが来るって聞いて張り切っちゃったのよv」
「え、あの・・・ええ!?」
「さあ、遠慮せずにお入りください。今日は母さんがいつも以上に料理の腕を振るってくれたようですから。」
なんだ古泉、やっぱりいつも通りの口調なんだな・・・って、違うだろ俺!
「古泉、説明しろ。お前は一人暮らしじゃなかったのか?」
そう言うと古泉はキョトンとし、それからすぐに微笑を浮かべた。
「やだなあ、僕が一人暮らしをしているなんていつ言ったんですか。僕は両親と三人暮らしですよ。」
非常に簡単な問題を間違えた小さな子供を見守るような穏やかな声でそう言い、古泉は玄関で靴を脱ぎ始める。そう言えば確かにお前が一人暮らしだなんて聞いた覚えは無いな。しかしそれは古泉が自分のことを滅多に話さないからであって・・・。ついでにお前の立場やら何やらを考えたら、機関の命令で一人暮らしをしてるんじゃないかと思うのが普通だと思うぞ。
「おや、そうでしたか。それは失礼しました。」
「・・・あら、いっちゃんてばキョンくんに母さん達と暮らしてることお話してなかったの?」
「そうみたい。あはは、やっちゃった。」
「もう、いっちゃんてば本当におっちょこちょいさんねえ。」
また口調が・・・ッ!
つーか古泉!お前、家族の前だと普通に話すんじゃねえか!
「そりゃ血の繋がった家族ですからね。学校や機関のように『古泉一樹』というキャラクターを作る必要はありません。あ、でもあなたに対してこういう口調になるのはほぼ癖のようなものでして・・・お許しくだされば幸いです。」
そりゃ今更敬語じゃないお前ってのも違和感ありまくりなんだろうが――と言うか実際、母親(?)に対して普通に話してるお前は現在進行形で奇妙だ――、何と言うかこう、表現の仕様が無いものが喉の奥辺りで固まっているような感じだな。
まあとにかく、お前が俺をここに連れて来たのは自分の親と会わせるためってことで合ってるのか。二人の会話から勝手に推測しただけなんだけどな。
「ええ、その通りですよ。黙っていてすみません。しかし僕の両親に会ってくださいと言っても、あなたは素直に首を縦に振ってはくださらないでしょう?」
否定はしない。お前と俺の関係が世間一般からはまだまだ冷たい目で見られるということを理解しているからな。それが例え血の繋がった親だとしても実の息子の恋人が同性だなんて、拒否を示すのが普通ってもんだろう。泣くかもしれんしな。
「ふふ、ご心配いただきありがとうございます。」
心配なんぞしとらん。おいこら、嬉しそうに笑うな。ニヤけるな。
「いっちゃーん!何してるのー?早くキョンくんを連れていらっしゃい。お茶の用意が出来てるわよ。」
「うん。今行く!・・・そう言うことですので、どうぞ。」
「・・・わかったよ。」
いつもの作り笑顔ではなく本心からであろう幸せそうな顔を眺めながら頷く。
これが俺と古泉(母)の出会いだった。
*
「あの、古泉のお母さん・・・」
「やーねえキョンくん、"古泉のお母さん"だなんて。お義母さんって呼んでちょうだいなv」
「そうだぞキョン君。ちなみに私のことはお義父さんと呼んでくれ。」
古泉の家に招かれたその日の夜、古泉(父)――機関関連の会社でそれなりの地位についているらしい――が仕事から帰宅してから四人揃って夕食となった。ちなみに古泉(父)は古泉が今日俺をこの家に連れて来ることを事前に聞いており、そのため残業を全て放置して帰って来たらしい。男前だし、実に漢前だ。
正面には美形の両親の間に生まれた一人息子、古泉一樹が慌てふためく俺を見てにこにこと微笑んでいる。どさくさに紛れて「以前言ったこともありましたが、是非僕のことは"いっちゃん"と・・・」なんて言うんじゃない。「いっちゃん」呼びならお前の母親が何度もやってくれてるじゃないか。
「さあキョン君、お義父さんって呼んでくれないか。」
「お義母さんもね!」
*
古泉が俺を示して微笑む。
「では改めて。父さん、母さん。この人が僕の大切な恋人だよ。」
「いっちゃん、もっとちゃんと紹介しなさい。フルネームから!」
「そうだぞ、一樹。父さんと母さんに自分の恋人をきちんと紹介しなさい。」
「なんでだよ。彼のことは調査書で知ってるじゃないか。」
ちょっと待て古泉!その調査書って言うのは俺の事細かなあれやこれやが記されたもののことか!?
「ええ。あなたの滅多に呼ばれないフルネームから生い立ち、病気・怪我・恋人や性交渉の有無まで詳細を記されたもののことです。」
・・・・・・。恋人の両親にそこまで知られてる俺って。これ一体何の羞恥プレイ?つーか、そこまで知っていながらにこにこ微笑んでいられる古泉の両親って何者。まあ俺よりも俺のこと知っていそうな古泉が俺のことを好きになったのことからして普通じゃないのかもしれんがな。
つまり、この親にしてこの子ありってことなんだろう。
*
古泉の両親も機関の関係者らしい。しかし古泉が超能力に目覚めるのと同時にハルヒの存在を知ったわけではないのだと言う。話を聞くと、能力に目覚めた古泉から古泉自身の変化を告げられて初めてそのことを知ったのだそうな。それまでは一人息子が急に塞ぎこむようになってただひたすら慌てるのみだったんだとか。
でもって古泉から話を聞いた後、自殺まで考えていた我が子を必死で止めようと奮闘していた時に機関が現れた。古泉を引き取るという謎の団体に不信感を抱いたものの、能力を与えられた者の苦しみが理解出来るのは同じ能力者だけだということで古泉の機関所属を了承したのだと言う。ただしその時に条件として、古泉の両親も機関の人間になることを約束させた。仕事は勿論、古泉のサポート。もともと古泉の父親が(知らなかったとは言え)機関がバックにある会社に勤めていたおかげで諸々のことはスムーズにいったんだそうな。
つまり古泉の両親は古泉のこともハルヒのことも俺のことも全て知っているというわけだ。
「じゃあなんで俺とお前の関係を笑って許してくれてるんだ。」
「それは彼らがロミジュリの成功版みたいなものですからね。」
「・・・は?」
なんだその例えは。もっと解りやすく説明してくれ。
「ですから、僕の両親はどちらも自身の家から相手との結婚を反対されていたんです。しかし両親はそんな家の反対には屈しなかった。自分が好きになった人と一緒になって何が悪い、とね。・・・だからなんです。機関的には良しとしない――機関はあなたと涼宮さんが結ばれることで涼宮さんの安定を望んでいますから――のですが、彼らは機関の人間としてではなく僕の両親として、僕が幸せだと思う道を進むことを望んでくれているんです。」
「・・・・・・大切にされてるんだな、お前。」
ポツリと呟けば、古泉はくしゃりと表情を崩して微笑んだ。
「はい。」
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